地盤のリスク1、軟弱地盤(不同沈下)!?

家を建てた土地が軟弱地盤や埋立地等の場合、地盤が家の重さに耐えられずに不均等に沈下して、四方の沈下量に差が生じることを不同沈下と言います。一度不同沈下を起こすと、その修繕には建物価格と同じくらいの費用がかかるケースもあります。不同沈下が起こると、基礎や外壁に亀裂が入る、ドアや窓、道具の開閉が困難になる、下水の排水が悪くなる等の不具合が生じます。しかも傾いた建物では、その資産価値が著しく低下します。また、そのまま傾いた住まいに暮らしていると、めまいや肩こりなど身体的な支障をきたしたり、平衡器官のバランスが崩れ、自立神経失調症に陥る等、住む人の健康にも悪影響を与えてしまいます。

地盤の環境問題・・・地下埋設物と土壌汚染「不動産鑑定評価基準」が平成14年に改正されました。

住宅地の評価に、個別的な要因が新たに追加された、代表的なものは以下の2点です。

  1. 埋蔵文化財及び地下埋設物の有無及びその状態
  2. 土壌汚染の有無及びその状態

埋蔵文化財、地下埋設物、土壌汚染があると、土地の価格に影響を与える場合があります。すでに地中にある埋蔵文化財は避けられませんが、地下埋設物、土壌汚染はこれからでも対策が可能です。住宅における軟弱地盤対策として採用されている方法は、セメント系の固化材を使用した地盤改良工事または鉄製やコンクリート製の杭工事が対象で、これらの工事こそ資産低下の原因となる「地下埋設物」と「土壌汚染」のリスクが潜んでいるのです。もし、「地下埋設物」と「土壌汚染」が売却後に判明し、土地利用に大きな阻害を与える場合には、その処理費用を請求される可能性もあります。

地盤のリスク2、産業廃棄物!?

土地価格の価格形成要因

不動産鑑定評価基準をご存知ですか。これによると、地下埋設物の有無も価格形成要因の一つとなっております。もし、地下埋設物が発見され、土地利用に阻害がある時には、土地価格のマイナス要因になる場合があります。

基礎杭なども産業廃棄物

建物が解体されて地中に残る鉄製やコンクリート製の基礎杭、及びセメント系固化材を使用した柱状地盤改良杭も産業廃棄物です。将来における土地の売買時には、買主から地中残存物の撤去が求められた場合、思わぬ費用が生じる可能性があります。見えないリスクを整理し、環境に配慮した地盤補強工事の検討も必要な時代です。

地盤のリスク3、土壌汚染!?

土壌汚染対策法

2003年2月15日に土壌汚染対策法が施行されました。この法律によると、もし汚染物質が発生したら、事業者がその汚染物質の浄化義務を負うことになります。但し、汚染者が特定できない場合は土地の所有者に負担が転嫁されます。土壌汚染は人の健康や自然環境に悪影響を及ぼします。セメント系固化材を使用した地盤改良は、発ガン性物質の「六価クロム」が発生する可能性があると指摘されています。すでに、公共工事においては、工事着手前に「六価クロム」の発生状況を確認する試験が行われていますが、民間工事では確認はされていない事が多い。ご自分の資産となる地盤の健全性とみんなの環境に配慮し、地盤改良工事の着手前での「六価クロム」溶出試験の実施をお薦めします。

ご存知ですか、地盤改良工事の排出残土

セメント系固化材を使用した地盤改良における施工後の土砂は、乾燥していることから一般土砂に見られがちですが、「産業廃棄物」として取り扱われるセメント混じりの土砂です。従い、基礎施工で排出される土砂を一般残土として処理することは、不法投棄となります。セメントが混じる排出土は「産業廃棄物処理施設」での処理をお願いします。

国民の健康保護を図る目的で施行されました。

現在住宅地として利用されている土地も工場跡地で有害な物質が含まれているかもしれません。また、造成時の客土が汚染されている可能性もあります。コンプライアンス(法令遵守)や企業倫理が問われる時代において、土壌汚染リスクの予測は土地情報に、もはや欠かせない重要事項の一つとなっています。土地利用履歴や土壌汚染の調査もお手伝いしています。

基礎工事の不都合

基礎工事の種類 軟弱地盤 産業廃棄物 土壌汚染
柱状地盤改良 可能性あり 可能性あり
基礎杭 可能性あり
直接基礎 問題あり

公共工事では実施

対象工法(セメント混入工法) 表層地盤改良・柱状地盤改良

環境問題に関する情報ホームページ

国交省